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2話 証拠の動画と、理性を麻痺させる欲望

Auteur: みみっく
last update Date de publication: 2025-10-16 16:55:39

 シオリはヒナの制服のポケットから財布を抜き取り、まるでゴミを扱うかのように中身を漁り、嘲るように笑った。男子たちの視線が、ヒナの大きな胸や色白の太ももに釘付けになる。その興奮した瞳は、ヒナをただのモノとして見ているようだった。

 興奮した男子たちが、よだれを垂らしそうな顔でヒナに群がり始めた。彼らの視線は、恐怖に震えるヒナの身体に釘付けになっている。その様子を、シオリは冷めた視線で眺め、手にしたスマホのレンズを彼らに向けていた。彼女の口元は、ヒナの屈辱と男子たちの興奮を見て、ニヤリと歪んでいる。

「あんたたち、ちゃんとお金を払いなさいよ……証拠の動画とってるから……」

 その声に男子たちは一瞬、我に返りかけたが、目の前のヒナの姿が彼らの思考を再び支配した。彼女の露出した胸や、捲り上がったスカートから覗く白い太ももが、彼らの理性を麻痺させていた。もう、誰の言葉も耳に入らない。ただただ、目の前の肉体へと手を伸ばそうと、一歩、また一歩と近づいていく。

 だが、その時、男子トイレの扉が再び開いた。そこには一人の男子生徒、ユウマが立っていた。普通なら、女子が三人もトイレの前に立ち、中から騒ぎが聞こえていれば、巻き込まれることを恐れて近づかないものだ。だが、彼は何の躊躇もなく、その場に足を踏み入れた。

 彼は状況を一瞥すると、口元を歪めた。

「なに面白そうなことをしてるんだ? あぁーいじめか。その旨そうな感情はデザートに良いかもな……」

 彼の不穏な言葉に、ヒナに群がっていた男子の一人が苛立ちを隠さず、声を荒げた。

「バカやろ! お前は後だ! 後からきて仕切ろうとしてんじゃねーよ!」

 その言葉は、まるでユウマの神経を逆撫でするかのようだった。彼は顔色一つ変えずに、嘲笑うように言葉を返す。

「っていうか、お前ユウマか?……そんなキャラだったか? 大人しそうだったよな? イメチェンでも企んでる感じか? ぷっ。今更か? まぁー良いけどよ。お前は、後な!」

 シオリの連れの女子たちが、その会話に首を傾げた。しかし、次の瞬間、ユウマが発した言葉は、その場の空気を一瞬で凍り付かせた。

「は? 俺が、お前たちの使用済みなんかで遊べるかよ……うせろ!」

 その声には、一切の感情が感じられなかった。彼は何の予備動作もなく、男子たちに向かって踏み出した。3人いた男子を、まるでゴミでも蹴り飛ばすかのように、一瞬で突き飛ばし、蹴り飛ばした。突然の行動に、シオリの連れの女子や、トイレにいた他の男子たちは驚き、声も出せずに固まっていた。ヒナは、恐怖で震えながら、その光景を茫然と見つめていた。

 気を失った男子たちを蹴散らしたユウマの姿を、シオリは手にしたスマホで撮影していた。画面越しに、ユウマの冷たい瞳と、床に倒れた男子たちの姿が映っている。シオリは、その映像を見つめながら、口元に余裕の笑みを浮かべていた。見た目は良いし、暴力で人をねじ伏せる強さもある。その映像をネタに脅せば、お金も手に入り、何かと利用価値があるかもしれないと考えていたのだ。

「……ま、まあ……良いわ。その暴行シーン撮ったし、それ、使うならお金、出しなさいよ……さっさと財布の中身を出しなさいよ」

 シオリの声は、冷静を装いながらも、どこか上擦っていた。ユウマがゆっくりと、まるで獲物を狩るかのように近づいてくる。彼はシオリの差し出した手にあるスマホを、軽々と掴んだ。シオリは、その無駄のない動きに一瞬息をのむ。そして次の瞬間、スマホからバリバリと耳障りな音が響き渡った。

 ユウマは感情の欠片もない冷たい瞳で、シオリの顔を見据えながら、スマホを粉々に握りつぶした。スマホのガラスが砕け散り、プラスチックの部品が歪み、ユウマの手からその破片がパラパラと零れ落ちる。

「……は!? ちょ、ちょっと! な、なにしてるのよ!! せっかく……バイトして買ったのよ!」

 シオリの悲鳴にも似た声がトイレに響き渡った。彼女の顔は、驚愕と怒りで真っ青になり、信じられないものを見るようにユウマを見つめている。彼女は、壊されたスマホの無残な姿を見て、初めて事の重大さを悟った。虚勢を張っていた彼女の心は、一瞬にして崩れ去る。

 シオリが慌てて周りを見回すと、異様な雰囲気を放つユウマに怯えて、いつも側にいた連れの女子たちはすでに逃げ去っていた。そこには、気を失っている男子3人と、恐怖でトイレの隅に縮こまり震えているヒナ、そして呆然と立ち尽くすシオリだけが取り残されていた。

 怒りに任せていたシオリの顔から、一瞬で血の気が引いた。目の前の男子の目から放たれる異様なオーラに、足が震えて動けない。プライドの高さで抑えつけていた恐怖が、一気に全身を駆け巡る。

「……な、なによ……あんた、なにをする気!?」

 シオリの声は、強がりとは裏腹に、震えながらか細く響いた。その声に、ユウマは満足げに口角を吊り上げる。

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